栽培は温暖かつ適切な湿度があり、しかも標高1,500~2,000メートルの水捌けの良い傾斜地でのみ行われます。 田七は直射日光を嫌うために覆いをし、開花した後は根茎部に栄養を集めるため一部を残して花部を切り取り、満を持した秋口に収穫します。 これを春田七といいます。 秋に収穫するのに春田七とは不思議なところです。 驚愕するのは、土壌作りに2年以上、種蒔きから収穫までには3年~7年という長い年月を費やすのですが、さらに、母なる大地から栄養分やエネルギーを十二分に吸収させるため、収穫後の土地は10年間も休耕させているのです。
昔、中国雲南省の少数民族「苗族」が、傷ついた猿が"ある植物の根"を食べると短時間にその怪我が治り、すぐに元気になることに気付いたことがきっかけと言われ、苗族の秘薬とし語り継がれてきました。 明時代の「本草綱目」(李時珍著)では、そのきわだった止血作用と血栓溶解作用から、“理血(血液循環を改善する)の妙薬、止血の神薬”という別称もあります。 また、お金に替えがたい貴薬だったため“金不換”とも言われたわけです。 また、ベトナム戦争時では、この田七人参主材(80%)の「雲南白薬」という薬が、奇跡的な回復力を実現する戦傷の特効薬として素晴らしい効果をあげたことで世界中に田七の存在が知られるところとなりました。 また、重篤な肝臓病の特効薬といわれて有名になった“片仔廣”もその主成分は田七人参でした。 中国政府はこの希少価値の田七人参を長いあいだ輸出制限していましたが、近年の経済開放改革に伴い、様々な制限が1997年に緩和されたため、私たちも田七人参の恩恵を被ることができるようになりました。
田七の主な有効成分は次のとおりです。
サポニン(25種類), 田七ケトンA、B, デンシチン, 有機ゲルマニウム, フラボン配糖体, アセチレン化合物, ビタミンA、B1、B2、B6、C、E, 微量元素・ミネラル(硫黄、リン、塩素、セレン、鉄、亜鉛、銅、マンガン、マグネシウム、カルシウムほか ), アミノ酸(アルギニン、アスパラギン酸、メチオニン、リジン、バリン、フェニルアラニン、スレオニン、ヒスチジン、トリプトファン、イソロイシン、ロイシン、プロリン、シスチン), 食物繊維